イザベラ・バードはイギリスの女性旅行家です。1878年に開港したばかりの日本を訪れ、旅の記録を出版しました。当時の日本はまだ簡単に外国人が旅行できなかった時代。イザベラ・バードはあえて外国人に知られていない地方を探検しようと考え北海道への旅行を決心し、函館を経て平取まで旅をしました。
彼女が書いた紀行文「日本奥地紀行」は、明治期の日本を知る貴重な文献とされています。特にアイヌの生活に関する明治初期の状況を紹介した文献としては唯一のものであり、貴重な調査結果を残しています。現在もイザベラ・バードの足跡を研究する活動が様々な分野で行われています。
沙流川流域(日高町・平取町)には、イザベラ・バードが歩いた道を辿るフットパスのコースがあります。スタート地点は日高町富川の富川東運動公園。道路の分岐点などに矢印案内板が設置してあり、途中、競走馬を育成する牧場や、雄大な沙流川、広大な田園風景など、美しい自然と出会うことができるコースとなっています。終点は平取町の義経神社。隣接する駐車場には、イザベラ・バードが歩いた道の解説板が設置されています。
このイザベラ・バードフットパスコースは、豊かな自然と農村の風景を楽しめる約15kmコースです。彼女が体験した当時のアイヌの生活に思いを馳せながら、歩いてみるはいかがでしょうか。
フットパスコーススタート地点
イザベラ・バードの道を辿る会では、函館・平取間のイザベラ・バードが歩いた道としてゆかりの深い七飯町、森町、白町、日高町、平取町に、地元の協力を得て解説板を設置しています。
幌尻岳
沙流川の源流は日高山脈の熊見山であり、沙流川の大きな支流である額平川の源流は日高山脈の最高峰である幌尻岳です。フットパスコースの途中からはこの幌尻岳と日高山脈を遠望することができます。
沙流川
イザベラ・バードは佐瑠太(現日高町富川・スタート地点周辺)から、平取まで途中沙流川を渡りながら移動しました。
軽種馬牧場
全国の約80%が日高産の馬であり、
明治5(1872)年に北海道開拓使が静内、新冠、沙流に牧場を設置したことがはじまりとされます。
水田の間を抜ける道
沿道には平取町特産のトマトが栽培されているビニールハウスや水田等を見ることができます。
ゴール地点は義経神社の鳥居
義経神社は1799年に江戸幕府の官吏である近藤重蔵が源義経のご神像を奉納したことに起源を持つ神社であり、その後の
安政5(1858)年に松浦武四郎が調査に来た際に記録を残し、イザベラ・バードが
明治11(1878)年に外国人として初めて参拝を許されました。
写真提供:イザベラバードの道を辿る会様
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