
札幌市中央区にある永山記念公園は、永山武四郎の旧邸宅と庭園を整備した歴史ある公園です。晩秋が深まり、空気がどこか冷たく澄みわたるころ、公園には“初雪がもうすぐ訪れそうな気配”が漂い始めます。木々は色づきを残しつつも静かに冬を迎える準備を進め、遊歩道には季節の移ろいが淡く刻まれます。
永山武四郎は、屯田兵制度の創設と発展に尽力し、“屯田兵の父”と呼ばれた人物です。彼の功績は、“北海道が未来へ進むための道”そのものを築いた存在と言えるでしょう。
公園に残る永山邸の洋風館や和風建築、そして趣ある庭園には、札幌が近代都市へ歩み出した時代の息遣いが今も息づいています。まもなく初雪が降りそうな冷たい風の中で遊歩道を眺めていると、永山が切り拓いた開拓の道筋と、季節がつくる新しい道が静かに重なり合うように感じられます。


初雪を迎える前の永山記念公園は、凛とした空気のなかで札幌の歴史をゆっくりと感じられる場所です。たどる道の先に、北海道を形づくった人物の足跡が浮かび上がってくる――そんな時間を味わえる公園です。