函館から大沼に向かう国道5号沿いを走ると、函館市桔梗町から七飯町峠下までの約14kmにわたり、見事な赤松が立ち並ぶ赤松街道があります。約1400本もの赤松が、太い幹と20メートルを超える高さで堂々たる姿を見せ、圧巻の風景が広がっています。土木学会推奨土木遺産にも選定されています。
この赤松街道は、江戸末期の1858年に当時の箱館奉行組頭が、故郷の佐渡から取り寄せた赤松の種子が元となり、北海道開拓の象徴とされてきました。
現在の国道5号にあたる「札幌本道」は、1876年に北海道の開拓拠点・札幌と本州の玄関口・函館をつなぐ幹線道路として完成。その際、明治天皇の訪問を記念して多くの赤松が並木として植えられたのが赤松街道の始まりです。
今もなお、赤松は、地域住民の手で守られ、七飯町の町木としても親しまれています。長い歴史と荘厳な風景が交差するこの道は、人々の生活と文化を繋ぎ続ける、北海道の貴重な道路です。